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ReikoYamada

Original & Revised Version


 

ここの所、作品に改訂版とオリジナル版が存在し、現在でも両方とも演奏されている作品を演奏する機会が多かった。


ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」は、バレエオリジナル版(1911)が四管編成で、改訂版(1947)は三管編成になったせいであろうか、1947年の改訂版の方がピアノの演奏部分がかなり多くなっている。同作曲家の「火の鳥」ではバレエオリジナル版(1910)の後に組曲が1911年版、1919年版、1945年版とあり、ピアノ、チェレスタの鍵盤奏者がそれぞれ1人ずつ必要な場合、ピアノ奏者が1人で持ち代えの場合、チェレスタは無しの場合、と、音自体はさほど変わらないのだが鍵盤奏者が1人だったり2人だったりすることがある。


マーラーの交響曲第6番は、「改訂版」と改めて発表されてはいないものの、実際何度も書き直しがされているため、フルスコアも2種類存在する。その2種類のスコアを比べると、チェレスタの弾く場所が削られていたり、音の数が増えていたりするのだ。しかも楽章の演奏順の入れ替えなど、指揮者の意向で変更される事もあり、その時は少なからず驚いた。


時代や状況等の理由から余儀なく編成を変えた場合もあるだろうが、音の構成や調和など、作曲家がより良い音を追求した事が理由の場合もあるだろう。単に何年版とゆう認識で演奏するのではなく、スコアを見比べてどう変わっているか、何故そう改訂したのかを理解して演奏するのでは格段に演奏の質が変わるという事を、身を以て体験出来た名曲の数々だった。


オーケストラピアニストは簡単ではないが本当に面白い。こうして長く続けられている事をありがたく幸せに思える今日この頃である。


感謝!

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